奇跡の連続で残った「乳歯」
2月26日「SFジャーナル: トランプ政権の妨害にも屈しないハーバード大の研究者たち」と題して記事を投稿しましたところ、「続報」があり、全米配信のタイミングでマンガーノさんからメッセージを頂戴しました。
映画「サイレント・フォールアウト」は、「乳歯」が起こした奇跡のストーリーが展開されていますが、その「乳歯」は本当に奇跡的に残って、見つかったことがわかりました。
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(SFジャーナル2月26日付記事から)どうしてハーバード大にセントルイスの乳歯が保管されたのか?
映画でもおなじみ、放射線と公衆衛生プロジェクト(RPHP)エグゼクティブディレクター、ジョセフ・ジェームス・マンガーノさんが、監督とのインタビューで語っていました!
「ある日私が事務所で仕事をしているとセントルイスにあるワシントン大学の生物学の教授、ダニエル・コールから電話がかかってきました。
『大学の倉庫を見に行ったら乳歯を見つけた』と言うのです。
32万本の歯は全部検査に使われたと思っていました。32万本の歯の内の10万1000本が検査に使われずに残っていたのだと分かりました。歯を検査するには粉にして液体に入れます。歯を破壊しなければならないのです。それが見つかったのです。
『あなた方欲しい? ワシントン大学はいらない』
そうしてワシントン大学からRPHPに寄贈されたのです。一生に一度のチャンスが来たと思いました。
この話の続きで今回、全米公開が決まり、マンガーノさんと連絡を取っているアメリカのスタッフに「質問」を送ってみました。
Q(スタッフ) : 歯の放射性物質を測るために、乳歯は粉砕するのですが、どうして調査されないで倉庫に保管されていたのでしょうか。また、ワシントン大学の倉庫でどうやって見つかったのでしょうか。
A (マンガーノ): 1973年に「乳歯調査(Baby Tooth Study)」が終了した後、ワシントン大学はストロンチウム90の検査が行われていなかった乳歯を保管していました。保管場所は、セントルイス中心部から約20マイル離れたタイソン・バレーにある、第二次世界大戦時の弾薬庫のバンカーでした。
ワシントン大学の職員グループが、大学の新しい保管スペースを探している際に、偶然これらの乳歯を発見しました。乳歯はそれぞれ封筒に入れられ、その封筒は歯と子どもに関するデータが書かれた3×5インチのカードに添付されていました。これらの乳歯はその後、「放射線と公衆衛生プロジェクト(Radiation and Public Health Project)」に寄贈されました。
「ある日私が事務所で仕事をしているとセントルイスにあるワシントン大学の生物学の教授、ダニエル・コールから電話がかかってきました。
『大学の倉庫を見に行ったら乳歯を見つけた』と言うのです。
32万本の歯は全部検査に使われたと思っていました。32万本の歯の内の10万1000本が検査に使われずに残っていたのだと分かりました。歯を検査するには粉にして液体に入れます。歯を破壊しなければならないのです。それが見つかったのです。
『あなた方欲しい? ワシントン大学はいらない』
そうしてワシントン大学からPRHPに寄贈されたのです。一生に一度のチャンスが来たと思いました」(2月26日「SFジャーナルより」)
偶然見つかった乳歯が火事で消失の危機に!
Q(同) : その後も「乳歯」はトラブルに見舞われたと伺っていますが、どんな出来事があったのでしょうか?
A (同):1968年1月6日、セントルイスのデルマー・ブールバード5144番地の建物で火災が発生しました。この建物には「グレーター・セントルイス核情報委員会(Greater St. Louis Committee for Nuclear Information)」の事務所が入っていました。乳歯はストロンチウム90の検査のため研究所に送られる前、この場所に保管されていました。火災が発生したのは凍えるような寒い夜だったので、幸いにも、この火災によって失われた乳歯はそれほど多くありませんでした。

火事による消失の危機にも見舞われたということですが、不幸中の幸いで「冬」だったから燃え広がらなかったとのこと……。もし、火事が春・夏・秋に起こっていたら、この映画もできなかったことだと思います。そして、いろんな方々のバケツリレーのような〝ご縁〟がつながり、映画「サイレント・フォールアウト」で世界中に知れ渡ることとなったのです。
マンガーノさん今秋、最新刊発売へ!
そして、もう一つビッグニュースが!
長年、乳歯の調査研究をしてきたマンガーノさんが今秋、本を出版されます。
「2016年に大きな転機がやって来ました。ハーバード大学の公衆衛生学の教授であるマーク・ワイスコフを紹介されたのです。
彼はアメリカ政府の国立衛生研究所から5年間の助成金を得ました。1年目にはデジタルファイルに入力するためにお金が使われました。101,000本の歯に関するすべての情報入力が2021年に完了しました」(2月26日「SFジャーナルより」)
本にはこれらの続報が盛り込まれるのでしょうか。出版が待ちどうしいですね。マンガーノさんの続報・Q&Aも随時お伝えしますので、ご期待ください!


