ところで今回、撮影にあたって最も難航したのは、60年前の乳歯提供者を探すことだった。
取材計画は、事前に緻密に行う。
しっかりとアポイントメントをとることは必須だ。
特に、海外取材は、かかる費用も大きく、無駄な時間を作るわけにはいかない。
しかし、この乳歯提供者については、情報がまったくなかった。
結局、取材の当てのないまま、日本を発つことになった。
気がきではなかった。
取材できなければ、映画は成立しない。
乳歯提供者が見つかったのは、取材が始まってからのことだった。
前述の、しほ・バークが、セントルイス市内の新聞社に連絡してくれて、なんと、我々の取材のことを記事にしてくれたのだ!
その結果、記事を見た何人もの人が名乗りを上げてくれたのだった。
本当にホッとしたのを覚えている。
セントルイスには2週間以上滞在し、取材を行った。
当時、子どもたちは、乳歯提供者に与えられるバッジとカードが欲しくて、抜けた歯を喜んで提供したこと、学校や歯医者などで集められたこと、などが語られた。
乳歯プロジェクトは、もちろん、研究者たちの知識と経験があってこそのプロジェクトだが、彼らの証言から、女性ならではの視点や行動があってこそ、成功したのだということが理解できた。
しかし、アメリカ連邦議会は、彼女たちの活動を、「共産主義を支持する組織」だと名指しした。
***
映画「SILENT FALOUT」最新版トレーラー
〈日本語版〉
クラウドファンディング、目標額の20%に達しました 感謝です!
〈English〉
[Latest version trailer]
Latest version trailer of the movie “SILENT FALOUT”
Crowdfunding
Yesterday, we reached 20% of our goal.
Thank you!