監督の読み解きと撮影エピソード 25

話はイギリスへと展開する。

イギリスを取材した際、衝撃的な写真を入手した。

それは、1962年、クリスマス島で任務に当たっているイギリス兵士の頭上に、キノコ雲が立ち上る写真で、核実験に参加した兵士が個人的に撮影したものだった。

上半身裸の兵士もいる。

日常的だからこそ恐怖感が倍増する。

恐ろしい光景だ。

至近距離のため、半減期の短い強烈な放射性降下物(死の灰)が、彼らを襲っているはずだ。

もちろん目には見えない。

しかし、彼らは、更に至近距離で意図的に被曝させられている。

爆心地周辺(極至近距離)に、背を向け座らされ、爆発の後、指示が出ると振り向いてキノコ雲を眺める、という動作をさせられた。

彼らは証言する。

爆発の瞬間「目を覆った手の骨が見えた」さらには「前方に座った仲間の体の骨が見えた」と。

強烈な放射線が彼らの体を貫いているのだ。

そのため、22,000人いた兵士の生存は、1,500人程度(取材当時)まで減っている。

明らかに彼らは、モルモットにされた。

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