監督の読み解きと撮影エピソード 1

第一章 予兆

1951年、アメリカ国内で始まった核実験から、物語は始まる。

アメリカは1945年、広島、長崎で暮らす市民の上に原子爆弾を投下。

そのわずか10ヶ月後、アメリカから遠く離れた太平洋上の島で開始。

その時の核実験による放射性物質が、地球規模で広がることを把握していた。

ところが、その5年後、アメリカ国内で核実験を行うことを決めた。

国内で実験を行えば、アメリカ大陸が放射能汚染することはわかっていた。

撮影は、アメリカ西部、ソルトレイクシティから始まった。

ソルトレイクシティは、2002年開催された冬季オリンピックで記憶にある人も多いだろう。

市の西側にあるグレートソルトレイク(大塩湖)が、その名の由来となっている。

僕らは、予定通りソルトレイクシティで生まれ育ったメアリー・ディクソンの自宅を訪ねた。

メアリーは、僕らを優しく迎え入れてくれた。

メアリーは、自身が癌サバイバーであり、幼い頃から家族や多くの友達が、被曝が原因とされる病気で亡くなっている。

メアリーは、核実験の影響を涙ながらに語ってくれた。

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