2025秋冬・EU上映ツアー in フランス⑤

前回に続くに続き、EU上映ツアー・フランス編 よそものネット・フランスメンバーの飛幡祐規(たかはたゆうき)さんのレポート(HP http://yosomononet.blog.fc2.com/ からの転載)です。

25年12月13日 ボニー・シュル・ロワール


フランス王政時代のお城(シャトー)の数々で有名なロワール地方、フランス最長の河川(1006km)ロワール河の流域には原発が4つもあります。そのうちベルヴィル原発とダンピエール原発に挟まれたボニー=シュル=ロワールの環境団体Bureau122の主催で、『サイレント・フォールアウト』の上映会が12月13日の夜に開かれました。パリから列車で1時間半強で行ける距離なので、パリからよそものネット・フランスのメンバーが上映会に参加しました。



夕方5時からこの団体の会合場には、メンバーや近郊に住む市民たちが集まってきました。最近の高市首相の発言など、日本政府の政策について聞かれたので、憲法9条の「平和主義」から離脱した近年の安保(防衛)政策の転換と軍事費拡大、ノーベル平和賞を受けた日本被団協の被爆者たちがが核兵器禁止条約への署名を要請してもそれに応えないこと、原発回帰に転換したことなどを説明しました。

19時からの上映には約40人が参加し、上映後には拍手がわき起こりました。主催者から、フランスの核実験の被害者(ポリネシア、ムルロワ環礁、アルジェリア、軍人と現地の人々)も長いあいだ被ばくを認知されず、現在も補償はまったく不十分だと説明があった後、「ドキュメンタリーに出てくるが、世界各地の核実験でこれまでどのくらいの放射能が振り撒かれたのだろうか」という質問が出ました。正確な数字はわかりませんが、太平洋上とソ連国土の核実験のまいた放射能が非常に大量で、チェルノブイリと福島の原発事故による放射能汚染は、その上にさらに加算されたのです。

また、ライス医師、科学者とお母さんたちの大きな市民運動により、核実験への抗議が大きく発展したのは素晴らしいという指摘がありました。その女性は、反原発運動に限らずパレスチナ支援などでも女性たち、母親たちの力強い行動が目立つと述べ、市民と科学者の連帯をもっと進めていくべきだと語りました。市民の行動といえば、この団体のメンバーの中には、近くの原発から放出されるトリチウムの量を測定するために、河の水などを定期的に採取している人がいます。分析は独立市民測定所ACRO(アクロ)に頼んでいます。原発を運営するフランス電力の測定結果より高い数値が出ることがあり、監視が必要だと言います。

市民の行動といえば、この団体のメンバーの中には、近くの原発から放出されるトリチウムの量を測定するために、河の水などを定期的に採取している人がいます。分析は独立市民測定所ACRO(アクロ)に頼んでいます。原発を運営するフランス電力の測定結果より高い数値が出ることがあり、監視が必要だと言います。

 「それにしても、なんでそんなに多数の核実験をしたのか、なぜそんな巨大な水爆実験をしたのか」という感想もあり、冷戦下で力の象徴としての原爆・水爆製造競争が起きたと説明しました。8月の広島・長崎80年の催しで高橋博子さんがスピーチしたチラシも配り、アメリカ軍が広島・長崎への原爆投下後ただちに、残留放射能と内部被曝があることを否定して核実験を進めたこと、生き残った被爆者を治療せずに放射能の影響を調べたことにも触れました。

その日は濃霧が出ていたのですが、集まってくれた人たちが持ち寄ったピザ、キッシュ、チーズやケーキ類のビュッフェとお酒(ロワール地方のワインなど)を分かち合い、話がはずみました。監督はこのテーマを長年追って、アメリカやイギリスでの取材と撮影まで進めたのはすばらしい、この映画を観られて良かった、と口々にお礼を言われました。大きな町ではなく、農村部の小さな村での上映会は、実り多い経験でした。

この記事を書いた人

村田くみ