前回のSFジャーナルで、「パンツのゴムのように伸ばされる基準は信用できない」と、1年間の被ばく線量限度についての話を書きました。
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国際的な基準となっているのが、国際放射線防護委員会(ICRP)が出している基準で、一般への人への放射線量は「年間1ミリシーベルト以下」としていました。ところが、福島第一原発事故後、「20ミリシーベルト」までゆるくしました。レントゲン技師など仕事で放射線を受けることがある職業被ばくと同じ基準になってしまいました。
これらは放射線による発がんデータから決められていて、年間1ミリシーベルトという量は「2万人に1人」ががんで死亡する確率で、年間20ミリシーベルトとなると「1000人に1人」。大きな小学校だと学校で1、2人はがんで亡くなる可能性があるという意味になります。
そもそも自然界には放射線があり、普通に暮らしていても世界平均で年間2.4ミリシーベルト、日本では1.2ミリシーベルトを受けていると言われています。
ちなみに、放射線は病気の診断だけでなく、理工学分野(天然ゴムラテックスに硫黄を加えて放射線を照射すると弾力性のあるゴムになる)、農業分野でも農作物の品種改良や殺菌などで活用されています。
「年間20ミリシーベルト」に抗議したのは内閣官房参与の小佐古敏荘(こさこ・としそう)・東大大学院教授(当時)でした。
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当時の記事によりますと、小学校などの校庭利用で文部科学省が採用した放射線の年間被ばく量20ミリシーベルトという屋外活動制限基準を強く批判しました。
「とんでもなく高い数値であり、容認したら私の学者生命は終わり。自分の子どもをそんな目に遭わせるのは絶対に嫌だ」
東日本大震災発生後の2011年3月16日、原発事故の助言を政権に求められて参与に就任しましたが、4月29日首相官邸を訪ね、30日付の辞表を提出し、会見を開きました。
そこで、涙を流しながら訴えたのがその言葉です。
低線量被ばくについてはいろんなデータが出ていますが、ICRPのデータは過小評価しているのが気になります。
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アメリカの科学アカデミー
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未来を担う子どもたちの命に関わる大事なことが気がつかない間に変えられてしまうーー。それも15年経って風化しつつあるなか「本当に大丈夫なのか?」検証する必要があると思います。
これからSFジャーナル、近々リニューアルするGO GREEN PROJECTのウェブサイトでも積極的に発信していきます。
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映画「サイレント・フォールアウト」には、膨大なデータ、エビデンスの間に苦悩や葛藤、怒りや悲しみ、喜びなど30人のインタビューを通して描かれています。


