現在、デンマークで暮らしているエリックは、60年ぶりに故郷のセントルイスに戻ってきた。
60年を経ても、彼の記憶は非常に鮮明で、当時を昨日のことのように覚えている。
車の中でも、通りの名や友達の名前などが次々と溢れ出てくるようだった。
映画には登場しないが、当時住んでいた家もすぐに見つかった。
最初に暮らしたアパートはそのままだった。遊んだ坂道や庭も、そのままだった。
しかし庭の木は、とても大きくなっていて、その木にまつわる子ども時代の思い出を語ってくれた。
さらに驚くことは、当時、母親たちが集まり、乳歯を仕分けした第二の自宅が、そのまま残されていたことだ。
映画の中で、エリックが自宅を訪ねるシーンがあるが、実際に、私たちは突然、あの家を訪ねた、ありのままのシーンだ。
自宅でくつろいでいた住人、エイボンは、突然の訪問にもかかわらず、笑顔で迎え入れてくれた。
ただ、最初は上半身裸だったのだけれど・・・。
60年ぶりの我が家に足を踏み入れたエリックは、少し興奮している様子だった。
当時の記憶が次々と蘇っていたのだろう。
そしてカメラの向こうで、彼は泣いていた。
60年前、エリックのような子どもたちが、核実験によって被曝した。
普通に暮らしていた何の罪もない子どもたちだ。
60年前のままの部屋にいると、当時にタイムスリップしたような感覚と同時に、人命を蔑ろにしたアメリカ政府の蛮行に強い怒りを覚えた。
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映画「SILENT FALOUT」最新版トレーラー
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